相続税対策として遺言を作成するメリットはあるか
1 基本的に遺言の作成は必須
相続税対策として遺言を作成することは、メリットがあるだけでなく、必須といえる場合があります。
たとえば、相続税対策として、自宅を同居の相続人に相続させ、小規模宅地等の特例を使って、相続税を抑えるという方法があります。
この小規模宅地等の特例を使う場合、当然、自宅を同居の相続人に相続させる必要がありますが、遺言が作成されていない場合、相続人全員で期限までに遺産分割協議をする必要があり、万が一、遺産分割協議がまとまらない場合、小規模宅地等の特例が適用できず、相続税対策が失敗してしまう可能性があります。
その他にも、二次相続を考えて相続税対策を行う場合、配偶者に遺産をどの程度相続させれば、一番相続税を抑えられるかも検討することがありますが、遺言がない場合、最適な比率で相続することができず、結果として高額な相続税を支払わなくてはならなくなってしまう可能性もあります。
そのため、円滑に相続税対策を行ううえでは、遺言を作成することはメリットであるだけでなく、必須と言える場合もあります。
2 遺言を作成するメリット
相続税対策として遺言を作成するメリットとして、たとえば、遺言を活用することで相続人以外の人にも遺産を渡すことができる点があげられます。
たとえば、孫がいる場合、遺言により直接、孫に相続させた方が相続税を抑えられる場合があります。
仮に遺言がない場合だと、一旦、子に相続させ、子の相続の際に、子から孫に相続させる必要があり、手間や相続税が高くなる場合があります。
また、遺産の一部を公共団体に寄付する遺言を作成することで相続税を抑えることができる場合もあります。
このように、相続税対策を行ううえで遺言も重要になる場合があります。